🚚 軽貨物(黒ナンバー)副業ガイド/2026年版

軽貨物を副業でやる人の確定申告ガイド
「20万円の壁」と年末調整との関係を表で整理

副業収入が20万円以下でも住民税申告は別に必要。
雑所得と事業所得の違い・経費の使い方・会社へのバレ防止まで、会社員×軽貨物に特化して解説します。

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本業が会社員で、軽貨物(黒ナンバー)配送を副業にしている方が増えています。「副業分はどう申告すればいい?」「年末調整で終わりじゃないの?」「20万円以下なら何もしなくていい?」——副業の確定申告には、フルタイムの個人事業主と異なる落とし穴がいくつかあります。このページでは、会社員が軽貨物を副業にする場合に特化して、確定申告が必要な条件・所得の種類・使える経費・住民税の扱いまで表と計算例で整理しました。

1. 副業軽貨物で確定申告が必要になる条件

給与所得者(会社員)が確定申告を必要とするかどうかは、「給与所得以外の所得の合計額が年間20万円を超えるか」で判断します(所得税法121条)。ただし、ここには3つの大事な注意点があります。

「20万円」は売上ではなく「所得」(=売上 − 経費)です。
たとえば軽貨物の売上が28万円でも、ガソリン代・スマホ代・車検代など経費が10万円あれば、所得は18万円。この場合は確定申告(所得税)が不要になります。

20万円ルールの3つの注意点

注意点内容
①住民税の申告は別途必要「副業が20万円以下だから何もしなくていい」は所得税の話。住民税は所得税の申告と無関係に、市区町村への申告義務がある。副業が20万円以下でも住民税の申告を忘れると延滞税等が発生する可能性がある
②複数の副業をまとめて計算軽貨物以外にも副業がある場合は、給与以外のすべての所得を合算して20万円超かどうかを判断する
③医療費控除・住宅ローン控除がある人は全員申告が必要医療費控除や初年度の住宅ローン控除などを受けるために確定申告する人は、副業所得が20万円以下でも合わせて申告する必要がある

具体的な判定例

ケース副業売上副業経費副業所得所得税の確定申告住民税の申告
A:経費が多いケース28万円12万円16万円不要必要
B:所得が超えるケース32万円8万円24万円必要必要
C:医療費控除もあるケース15万円4万円11万円必要(医療費控除のため)不要(所得税申告で済む)

2. 雑所得 vs 事業所得:副業はどちらになる?

副業の軽貨物収入が「事業所得」になるか「雑所得」になるかは、手取り額に直結する重要な分かれ目です。2022年8月の国税庁通達改正により、原則が変わっています。

区分事業所得雑所得
損益通算(赤字と給与の相殺)できる(給与所得と相殺して税金を減らせる)できない(赤字でも他の所得とは相殺不可)
青色申告特別控除(65万円)使える(事業所得があることが前提)使えない
純損失の繰越控除最大3年間の赤字繰越が可能不可
経費の計上業務に関係する支出を必要経費として計上可収入を得るための費用を差し引けるが赤字は不可

2022年改正後の判断基準

国税庁の通達(令和4年10月)により、副業収入が年300万円以下の場合は原則として雑所得とする取扱いが明確になりました。ただし例外があります。

事業所得として認められる条件(副業が年300万円以下の場合):
副業に係る収支の記録(帳簿・書類)を保存していること。帳簿を適切に保存している場合は、業務の実態から事業所得と判断される余地があります。青色申告を使いたいなら、早い段階で帳簿付けを習慣にすることが重要です。

軽貨物の場合、委託元(配送会社)から受け取る業務委託料がメインの収入です。継続的・反復的に業務を行い、帳簿を残していれば事業所得として認められやすくなります。逆に、短期間のスポット的な稼ぎや帳簿なしでは雑所得と見られる可能性が高くなります。

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3. 副業でも使える経費一覧

副業でも、軽貨物の仕事で使った費用は経費として収入から差し引けます。フルタイムの個人事業主と同じ項目が対象になりますが、仕事で使った分だけが経費になります(私用との兼用は按分が必要)。

経費の種類科目の例副業での注意点
ガソリン代燃料費仕事で走った距離の割合だけ経費。走行日誌や配送記録が根拠になる
高速代・駐車場代旅費交通費配送業務中のものは全額。ETC明細・レシートを保管する
スマホ通信費通信費仕事に使った割合で按分(例:全体の50〜60%)
車検・修理・保険車両費・損害保険料配送に使う車なら事業割合で按分可。副業なら割合が下がる場合も
車の減価償却費減価償却費副業でも購入した車は減価償却で経費化できる。事業割合分だけ
軽自動車税租税公課配送に使う車なら事業割合で按分可
消耗品消耗品費台車・軍手・ガムテープ等。配送専用なら全額経費
副業だからといって経費が使えないわけではありません。しかし雑所得の場合、経費を引いた結果がマイナス(赤字)になっても、給与所得との損益通算はできません。事業所得に比べて節税効果が限定的になる点は注意が必要です。

副業×軽貨物の経費計算例

項目年間金額事業割合経費として計上できる額
ガソリン代12万円60%(仕事で走った分)72,000円
スマホ通信費8万円50%40,000円
高速・駐車場3万円100%(業務利用のみ)30,000円
車両減価償却費15万円50%(仕事とプライベート兼用)75,000円
車検・保険等6万円50%30,000円
経費合計247,000円

この例で副業売上が50万円なら、所得は50万 − 24.7万 ≒ 25.3万円。所得税の確定申告が必要な20万円超に該当します。経費をきちんと計上することで課税対象の所得を圧縮できます。

4. 年末調整と確定申告の並立関係

会社員の税金は、毎月給与から天引きされる源泉徴収と、年末の年末調整でほぼ完結します。しかし副業がある場合は、これとは別に自分で確定申告をする必要があります。

手続き誰がやる対象副業との関係
年末調整会社(経理)給与所得のみ副業所得は含まれない。副業分は別途確定申告が必要
確定申告自分全所得を合算副業(雑所得・事業所得)を加えて計算。2月16日〜3月15日に提出

確定申告書には、給与所得の源泉徴収票(会社から年末に受け取る)と、副業の収支を合算して記入します。確定申告の結果、追加で税金を支払う(=追徴)か、逆に還付を受けるかが決まります。

副業ありの会社員が確定申告で使う主な書類

  • 給与所得の源泉徴収票(勤務先が発行)
  • 副業収入の記録(委託元からの支払明細・振込記録など)
  • 経費の領収書・レシート(ガソリン・高速・スマホ等)
  • 副業分の収支内訳書(雑所得)または青色決算書(事業所得)
  • マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類
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5. 住民税と会社へのバレ防止

所得税は国の税金で確定申告書を税務署に提出しますが、住民税は市区町村の税金で別の動きをします。この住民税の動きが「副業がバレる」主要ルートになっています。

副業が会社にバレる主な経路

経路なぜバレるか対処法
住民税の増加(最多)副業所得が増えると翌年の住民税額が上がる。会社の給与担当が「いつもより税額が高い」と気づく可能性がある確定申告書の「住民税・事業税に関する事項」欄で、副業分の住民税を「自分で納付(普通徴収)」に変更する
社会保険の増加健康保険・年金は給与所得に連動するため、副業所得だけでは原則変わらない(国民健康保険者は別)会社員の場合、副業収入は社会保険料に直接影響しないケースが多い
会社への市区町村からの通知一部自治体では処理の都合上、副業分を特別徴収(給与天引き)のままにする場合がある普通徴収への切り替えを申請しても確実ではない。副業はあくまで規則の範囲内で
会社の就業規則を必ず確認してください。副業を禁止している会社では、確定申告のタイミングで発覚した場合に懲戒の対象になる場合があります。税務上の手続き以前に、就業規則の確認が先決です。

普通徴収への切り替え方

確定申告書(紙・e-Tax共通)の「住民税に関する事項」欄に、「自分で納付(普通徴収)」を選ぶチェック欄があります。ここにチェックを入れると、副業分の住民税は会社の給与天引きではなく、自宅への納付書で別に納めることになります。ただし一部の市区町村では対応できない場合もあるため、100%防げるわけではありません。

6. 副業でも青色申告は使える?

副業軽貨物が「事業所得」と認められた場合に限り、青色申告の特典が使えます。青色申告になると、次の恩恵があります。

青色申告の恩恵内容副業への影響
青色申告特別控除65万円要件を満たすと所得から最大65万円差し引ける副業所得から65万円控除→課税所得が大幅に減る。副業所得65万円以下なら実質ゼロに
損益通算事業所得の赤字を給与所得と相殺副業で赤字が出た年は給与の課税額を減らして還付を受けられる可能性がある
少額減価償却資産特例30万円未満の資産をその年に全額経費化配送用の備品・スマホ・端末などに適用可能
純損失の3年間繰越赤字を翌年以降3年間繰り越して控除開業初年度に赤字が出ても翌年以降に効く

副業で青色申告を使うための手順

「副業で青色申告は大げさ」と思うかもしれませんが、副業所得が65万円未満でも青色申告特別控除で実質ゼロになる計算です。帳簿付けのハードルはExcelや無料アプリで下げられます。副業が軌道に乗ってきたら早めに検討する価値があります。詳しくは軽貨物の開業ガイド(開業届・青色申告承認申請書の提出手順)をご覧ください。

7. よくある疑問 Q&A

Q. 副業の軽貨物収入が年20万円以下なら確定申告は不要ですか?

A. 所得税の確定申告は不要になりますが、住民税の申告は別に必要です。また「20万円」は売上ではなく所得(売上から経費を引いた後の金額)です。たとえば売上が25万円でも、ガソリン代・スマホ代などの経費が7万円あれば所得は18万円となり所得税の確定申告は不要になります。ただし住民税の申告義務は別にあるため、お住まいの市区町村の窓口で申告が必要です。

Q. 副業軽貨物の収入は「事業所得」と「雑所得」のどちらになりますか?

A. 2022年改正通達により、副業収入が年300万円以下の場合は原則として雑所得とされます。ただし、収支記録(帳簿・書類)を保存している場合は事業所得として認められる余地があります。事業所得になると赤字を給与所得と損益通算したり、青色申告特別控除65万円を使ったりできます。雑所得では赤字の損益通算はできません。

Q. 副業軽貨物でも経費はどこまで使えますか?

A. 副業でも、軽貨物の仕事で使った費用は経費になります。主なものはガソリン代(仕事で走った分の按分)・高速代・スマホ通信費(仕事利用分)・車検・保険・軽自動車税・消耗品(台車・軍手等)などです。ただし事業所得・雑所得のどちらかで扱いが変わり、雑所得の場合は赤字にしても給与所得との損益通算はできません。詳しくは軽貨物の経費まるわかりガイドをご覧ください。

Q. 副業を確定申告すると会社にバレますか?

A. 確定申告書の提出先(税務署)が会社に連絡することはありません。ただし、副業収入が増えると翌年の住民税額が上がり、会社の給与担当が普通と異なる税額に気づく場合があります。これを防ぐには確定申告書の「住民税に関する事項」欄で、副業分の住民税を「自分で納付(普通徴収)」に変更する方法があります。ただし完全に防げるかは自治体の処理方法によります。また、就業規則で副業禁止の場合は税務手続き以前の問題になります。

Q. 副業軽貨物で赤字になりました。確定申告は必要ですか?

A. 雑所得の場合、赤字(マイナス)の確定申告は義務ではありませんが、事業所得として認められている場合は赤字申告をすることで給与所得と損益通算(相殺)ができ、税金が戻る可能性があります。副業が雑所得と判断される場合、赤字を損益通算する節税メリットはないため申告の必要性は下がりますが、翌年以降も副業を続けるなら帳簿を付け始めて事業所得を目指す判断もあります。

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本ページに掲載の内容(20万円の確定申告ルール・雑所得と事業所得の判断基準・住民税の普通徴収・青色申告の要件・経費の按分割合等)は、すべて2026年7月時点の一般的な制度にもとづく目安です。税制・通達・自治体の取扱いは変わることがあり、あなたの状況によって正解は異なります。実際の確定申告・節税の際は、必ず国税庁のサイト・お近くの税務署・税理士で最新の正しい情報をご確認ください。本ページの内容にもとづいて行動した結果について、発行元は責任を負いかねます。